第3回・太地町レポート【2022/12/9】

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古式捕鯨発祥の地、太地町への取材レポート、そのシリーズ3回目になります。
ここからご覧ください。

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太地町の捕鯨船

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鯨とともに生きる街を掲げている和歌山県の太地町では捕鯨船のひとつ、キャッチャーボートが展示されています。冷蔵船などの母船でなくても、間近で見ると相当大きくて迫力もあります。
映画「The Cove」で変な意味で知られてしまいましたが、捕鯨と切っては切れない街がここでしょう。
太地の捕鯨については以下のnoteでも書いていきます。

太地町の過去の写真

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動物愛護団体もいない静かな漁師町

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千葉県南房総市の和田浦は小型鯨類(ツチクジラ)の捕鯨をおこなっている。大きなクジラと言う生き物を獲る街というイメージからほど遠いのが、実に小さく静かな漁師町だということだ。外房の山々の間にポツンと存在するこの街、近くにある鴨川市とは大きく違う。
そしてこの街には動物愛護団体の姿もない。なので訪れたのが漁期であっても静かであった。

和田浦の過去の写真

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今年見た和田浦でのクジラ解体[動画]

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動画はココからご覧ください。
動画は千葉県、和田浦で行われているツチクジラ漁の解体です。これは今年の夏に見学したものです。解体するだけにその作業をする人のことを解剖士と呼ぶそうです。
最近では生き物の解体を見せてくれる所はありません。見せてくれても「SNSにはアップしないで欲しい」と言われます。
感情論だけでモノを言って、威圧的になっている愛護団体の存在が影響していますがそれは残念ですね。
反面、ここでの捕鯨は「地域の食文化」をになうひとつとして、今でもおこなわれ、解体は小学生などにも見せているそうです。

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ツチクジラの解体

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千葉県外房(和田浦)で見られるツチクジラの解体、その様子です。
皮が厚く、ウインチを使わないと剥がすことができません。ツチクジラはハクジラの中に入るので肉食です。そのためか解体の段階で臭みというのが周囲に広がっていました。

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和田浦の過去の写真

 

頭が切断されていく

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IWC(国際捕鯨委員会)からも外されている小型鯨類のツチクジラ。その解体現場で頭が切断されました。
ツチクジラはハクジラの仲間に入り、肉食であるため肉自体はにおいがあるとも言います。しかし現地では人気の食材でもあります。
ところでここ千葉県の和田では日本で唯一、料理の神様を祀る神社があることでも知られています。

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和田浦の過去の写真

 

ツチクジラの解体[動画]

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動画はこちらからご覧下さい
和田浦でのツチクジラの解体。その皮下脂肪の厚さと血と一緒にでる脂の量には驚きます。皮をはぐときはバリバリという音がしますし、流れる血は脂ぎっているしホント驚きます。そしてその流れ出る量からヨーロッパ人が油を欲しがった理由が理解できました。
和田浦では捕鯨を守っていってもらいたいですね。これが地域の「食」を守っているのですから。和歌山の太地町もイルカ漁を単に水族館に売るためにやるのではなく、かつてのように食用として復活させてほしい。反面静岡の川奈のイルカ漁撤退は実に大きな決断が必要だったことでしょうね。
単に「かわいそうだから」「動物が好きだから」と言う理由で反対するのはどうなんでしょうか?環境省が「My行動宣言」として自然(動物)に触れあうことを国家レベルとして提唱しなければいけなくなった現在、日本はここまで落ちぶれたか感もあります。その結果が反捕鯨でしょう。

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沿岸域小型鯨類捕鯨・ツチクジラの解体

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捕鯨問題はかなり大きく論点がズレてしまっている感があります。
IWC(国際捕鯨委員会)は1982年に商業捕鯨を禁止にしましたが、これは永久的に全面禁止というのではなく、一旦ゼロにしてみんなで議論して再開できるようなら再開させようというものであります。その結果IWCの科学委員会では「改訂管理方式」という管理方法を打ち出しましたが、反捕鯨国は「監視制度なども策定しなければインチキする国もあるだろう」と言うことで、再開しても持続可能ということが科学的にわかっていても「改訂管理制度」を作ることも要求し、現在でも商業捕鯨は行われていないままになっています。
しかしIWCの禁止条項から外れているのがあります。それがエスキモーやイヌイットの対する「先住民存続捕鯨」「イルカ漁」そしてこの「沿岸域小型鯨類捕鯨」であります。千葉県外房の和田浦では今でも沿岸域小型鯨類捕鯨という括りでツチクジラの捕鯨が行われています。そしてこの解体を誰でも見ることができますので、今回行って来ました。
深夜の2時に始まった解体作業ですが、朝の6時ぐらいになると問屋さんをはじめ、近所に住むたくさんのおばちゃんたちも買いに来て、和田浦にはクジラを中心とした人間の生活があるというのを実感しました。
人間は、日本人は自然というものを日々感じながら生きていて、自然が人々を大きくさせてくれるものだと思うと同時に、だからこそ無くてはならないものであり、それに敬意を払っている生き物だと思います。
人と自然の関わりのなかに捕鯨がある、そんな図式は科学の世界ではなく人文科学や民俗学の世界の話であって、今自然環境の話がそれらにも広がっているというのがよくわかる日でしたね。我々はもっと堂々と鯨肉を食べて良いと思います。

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